跳び箱の指導

コオーディネーション運動教室ですること

2016年 07月 30日

私は、幼児の「跳び箱〇〇段跳べます」偏重はもったいないと考えています。

5、6歳くらいのこどもたちがさせられている体操
跳び箱、鉄棒、逆立ち、側方倒立回転…
こんな小さい子がこんなのできるの!?
すご~い、となりますが、、、

確かにすごいです、こどもの能力
何でも、すぐにできるようになってしまう。

で、その跳び箱、何になるのでしょうか
体操選手になる?
役に立つかもしれません
体操選手なんて考えていません
体力をつけてほしいので
小学校で役に立つから
体操苦手になってほしくないので…

さて「跳び箱を跳ぶ」能力を考えてみると
踏み切りまでの距離をつかむ
その距離感をつかんで、助走・踏み切りのタイミングを合わせるリズム感
助走から両足ジャンプへの動きの変換とジャンプ力
着手の位置、正確さ、タイミング
腕で体を支える、押し出す
体のコントロール、バランスなど
要は
距離、時間、リズムをつかんで、自分の動きを合わせる
自分の体を思ったとおりに動かす、平衡能力
動きを変える・動きをつなげる能力
が必要な訳で、それらが育っていればできる。

跳び箱をしない方が良いのではなく、もちろん跳んで良いのですが、
そんなに反復させる意味あるの?
そんなに高さに挑戦する意味あるの?
何のため、何がねらい?ということです。

幼児期は広く能力を発達させる時期だと思います。
とにかく繰り返し練習して技ができるようになる=能力が伸びる?ではなく
できていなくても能力が伸びる刺激となっていることもあるし、
できていても能力向上の刺激にならない場合もあります。

運動の技能を身につける・高めるのと
技能の発揮に必要な能力を育てるのはイコールではない。

跳び箱、体操はとても良い運動です。
自分の身体をしっかり使う
回る、転がる、支える、つかまる…色々な動きが入っています
逆さまになったりぶらさがったり、回転したり、平衡感覚・能力を育てるのに最高
柔軟性など身体の強さ(あいまいだな)も身につくでしょう

色々な能力を育てる素晴らしい運動のひとつなのに
目的が技を完成させることになっている
挑戦する心を育てるとか
できる喜びとか
技の楽しさとか
跳び箱の技能を身につけるとか

それ今優先することですか?
小学生、中学生になってどうですか
本当にこどもの能力伸びてますか

小学校低学年での跳び箱は「とびばこあそび」です
「跳び箱運動」ができないから仕方なく「あそび」になっているのではなく
「あそび」が必要だから、大切だからだと思います。
学習指導要領を作った方に直接聞いた訳ではありませんが

「運動不足」というよりも「あそび不足」(それにハイハイ不足)
あそびが足りてないのにスポーツを早くから偏ってするから(身体も身体を動かす能力も育っていないから)余計に体を壊す

早くから始めた方が有利
早くからしている方が上手になる
早ければ良い…訳ではないです。
運動だけでなく
文字が読めるのも早い方が良い
算数ができるのも早い方が良い…
早く、早く、先に、先に、、、間違ってないですか

跳び箱、みたいな物が置いてあったら、
こどもはよじ登るのに挑戦し、高い所に立って喜んで、跳びおりて、たのし~、となるのが自然。
開脚跳びしようと思いますかね?

走り回って
転げ回って
色々な動きを経験して
身体の感覚を育てて
自分の身体を上手に使えるようにして…
跳び箱はこうするんだよ~と動きを見たら、すぐにできる。
それがこどもの運動で大切なことで
自分たちがコオーディネーション運動教室でしていることです。
 高橋

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