発達障害は近年は「神経発達症」というようになっています。
その定義は広く、人によって症状などもさまざまです。
原因は「現時点では生まれつきの脳機能の問題が有力です」などとされ「先天性」だから「治らない」といわれてきました。
しかし実際に、発達障害と診断をされていたが、診断が無くなった人、軽くなった人がいます。
原因や治療についても研究されています。日本でも脳神経内科で治療を進めている医師もいます。
「治せます」と言われると、良いと聞いたことをすべて試してきた、どんなに努力しても治らなかった、など当事者の方しか理解できない思いがあるのはわかります。
しかし「生まれつきの脳機能の障害です」「治りません」と言われたとき、それを聞いた方たちはどのような気持ちになるのでしょうか。
先天性だからどうしようもないのか
脳機能の障害だから脳が発達しないのか
一生このまま成長できないのか
将来勉強したり働いたりできないのか
治らないから何もできないのか
想像することしかできません。
しかし「生まれつきです」「治りません」という言葉は、どのような意味であるのか丁寧に説明しなくてはならないと思います。
私は発達障害の専門家ではありません。
ではなぜその理論や改善法を学ぶのかというと、誰にとっても役立つと考えているからです。
発達が完璧な人はいないし誰でも多少は発達に凸凹はあります。
障害などある人の脳神経系や筋機能、症状などを改善するものなら、誰にとっても有用なことが多いはず。
運動スポーツが専門だと、フィジカルトレーニングやスポーツスキルの情報にばかり目がいきがちです。
体育大でも発育発達の概論は授業で学びますが、乳幼児の発達や口腔のことなどについて関心がある人はごく少数。私もまったく知識はなく、十数年前くらいから知るようになりました。
体育スポーツ指導をするなら、学校関係の教員などにとっても、こどもの発育発達について、口腔について、発達障害について学ぶのは必須ではないかと今では考えています。
分野に関わらず一般的には無理といわれていることでも、驚くような成果・実績をあげている人はいます。
エビデンスがまだない…ガイドラインになっていない…などと言う前に、実例を見て理論や機序を調べて、とりあえず実践してみて結果をみてみる。
自分や家族が改善すればよいのです。そしてそれは貴重なひとつの事例であり、エビデンスになっていくのです。
「発達障害は改善できる」というと「治りません」「勉強しろ」「デマ」「インチキ」などと言ってくる人がいます。
「発達障害が改善したのだとしたら、そもそも誤診・そうではなかった」「成長にともなって特性が軽くなっただけ」などと言ってくる人やそれに賛同する人もいます。現在でもそのような人らが多数派だと感じています。
アレルギーやそのほかの病気でも同じような話がありますが、「これは治りません・その治療法にはエビデンスがありません」などと言っておいて、実際に治った・改善した事例に対しては「自然に治ることもある」「環境が変わると症状が出ないことがある」「それが原因かはわからない」などと言い出す。
治した人たちは「治らない」と言われても、色々考え調べ実践して結果を出しています。
「発達障害、治るが勝ち!」は花風社の本ですが、まさにその通りです。
神経発達症の原因は「現時点では生まれつきの脳機能の問題が有力」などと言われています。
「現時点では」「原因不明なところがある」「原因や治療法は確立されていない」とされており「治らない」が常識です。
それは改善しない、社会生活ができない、勉強ができるようにならない、働けるようにならないということではありません。
状態や症状の強さも人それぞれですし、改善が難しいことももちろんあります。
「治る」と表現するのが違うのでは、という意見はわかりますが、「改善」も「発達」も「成長」もできます。
仮に五体満足で何も障害がなく生まれてきたとして、何もせず何も学ばずにいたらどうなるのか。
障害などのあるなしに関わらず、発達すること学ぶことは誰にとっても必要です。
高橋
花風社の本
◎最新刊の「発達障害治療革命!脳神経内科医からの提言」は脳神経内科の見地から神経発達症の原因や治療法について書かれています。
そのほかの本もおすすめです。
『偏食支援・指導で絶対NGトップ3』発達障害臨床研究会(宇佐川研)のページ
https://usagawaken.com/hensyoku_shienng3
はびりすホームページ