小学校とび箱(たくましいかごしまっ子育成推進事業)

2017年 02月 05日

https://tomproject.exblog.jp/23604817

1月30日は小学校でした。

2年生と3年生の「とび箱」の授業

どんなだろうかと思って行きましたが、みんな上手でした。

手をついての補助運動、マットでの運動をしっかりされており、踏み切り・着手・着地での音を意識するなど、普段から工夫して取り組まれているようでした。

体操を習っています、という子も何人かいました。

2年生もほとんど開脚跳びができていており、跳び箱の上に乗って止まってしまうという子が数名

開脚跳びができなかった子たちは、手の使い方などをちょっとしたら、できるようになりました。

ただ、体の大きな子だけは難しかったです。

技ができるのだけが大事なのではなく、良い刺激が身体に入れば良いのですが。

台上前転、閉脚跳び(抱え込み跳び)も少ししましたが、技の練習よりも、もっと跳び箱で遊んで良いですよという印象です。

跳び箱を使って、いろいろな動き

走る、跳ぶ、高いところによじ登る、腕を使う、腕で体を支える

跳び移る、跳び下りる、助走やジャンプのリズムや距離感、バランス、重心移動、体のコントロール

開脚跳びの練習だけしていても、逆に上手になりません。

さて、跳び箱の練習としてはまず、跳び箱(縦)にまたがって手で前に進みます。

腕だけで体を前に移動させる形です。

ちょっとずつ進んでいき、最後跳び箱から下りるところまで手で跳び箱を押すようにします。

よく行われる練習法のひとつで、

手をしっかり着く、腕で体を支えるということもですが

体の感覚・重心位置をつかむということが大事です。

どんなに腕の力が強くても、重心が前に移動しなければ、体を前に動かすことはできません。

頭・肩を前に出して(重心を前方に移動させて)その時に手をしっかり着く、体を支えるのです。

開脚跳びもですが、閉脚跳びの場合はさらに、肩を前に出しての腕での支持・突き放すことが必要になります。

手をついたまま、腕の間から脚を抜こうとすると、上手くいかないかもしれません。

自分の体、重心、バランスがどこにあるか、どこまでだと安定しているか、どこから崩れるか

バランスをとる・バランスを崩せる

手・腕をしっかり使うという身体的な部分と、平衡・バランス感覚をつかむということ両方大事です。

それと跳び箱に「触る」こと

ボールでもラケットでもバットでも、使用する用具に触ること

形、大きさ、長さ、どこに当てるのか、手からどのくらいの距離なのか

手からバットのボールを当てるポイントまで51cm…ということを無意識にしている訳ですが

跳び箱も触った感触、硬さ、どのくらいの長さ・幅なのか

見るだけでなく、触って身体で脳で理解していきます。

跳び箱に慣れる・なじむ

前に行った荒木先生の研修

小学校の先生の事例発表で紹介されていたのですが

跳び箱を跳ぶ前に、触る、叩く、慣れること。跳ぶ前に避ける。

助走のスピードが落ちてしまう、思い切り踏み切れない、恐怖心があるなどの課題

跳び箱なしで助走・踏み切りの練習するという練習もあります

跳び箱が無ければ怖くはないのでしょうが

まず触る、慣れる

跳ばないで避ける

避けるのが怖いという子はあまりいないと思います。

怖かったら避ける

触ってみる、叩いてみる

できそうだったら上に乗ってみる

跳び箱は怖いです

ぶつかったら痛いし、落ちたら痛い

怖いものを無理やりやらされるのは本当に苦痛だと思います

私は小学生の時、台上前転で落ちてから怖くなり、中学の時も嫌で嫌で、できるだけやらないようにしていました

自分の身長くらいの木の箱を跳び越えろって結構大変ですよ

勇気が必要なこともあるでしょうが

できるところから

怖くないところから

安全に

少しずつ

がんばってほしいと思います。

そして、跳び箱って面白いので

苦手、嫌いがなくなって、みんな楽しさを味わえるようになってほしいのです。

そのために、跳び箱以外もすべてそうですが、小さい時からの体育への取り組みが大切だと思います。

小学校も小学校以前もですね

跳び箱の練習を小さい時から、ということではなく

きちんと身体を、感覚を育てる体育をしていきたいと思います。

高橋

跳び箱できなくても大丈夫ですよ。何か問題がありますか。

2017年 03月 19日

https://tomproject.exblog.jp/23730586

というのは、跳び箱をすることに意味がない、ということではありません。

跳び箱は素晴らしい運動です…って前にも書きましたが

「出来る・出来ない」という結果のみを気にしすぎていませんか。

出来ないことはダメだ、悪いことだ、と決めつけていませんか。

幼児の場合は特にですが、早く出来るようにした方が良い、小学校で出来ないと困る、と思い込んでいませんか。

跳び箱運動を含む体育の目的にも色々とあります。

体育をすることで身につける能力は何か?

(※ちなみに下記は文科省です↓)

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/05091401/003.htm

目的のひとつに、跳び箱運動などを通して、様々な運動能力や学習能力を高めることがあると思います。

跳び箱をすることで

体を支える、腕での支持やバランス、回転、体のコントロール、

走りからジャンプ、着手、空中動作という動きの切り替えとつなぎ、

助走の距離感や踏み切りの力加減、リズム・タイミングなどなど

これらの要素や能力を使うとともに、向上させようとしている訳ですね。

そして、身体的能力や運動技能だけでなく、運動を通して学習能力を高めることが重要だと考えています。

どんな運動なのか?どうやって動いているのか?観察し運動を理解する

自分がどう動いているのか?自分の身体の動きと感覚をつかむ

特に小さなこどもの場合には、身体の感覚や動きの感覚を重視すること

自ら新しい動きを学んで獲得するのか、教えられて「出来る」ようになるのか

特定の運動を早く「出来る」ようにするためには

跳び箱であれば

毎回同じ距離から助走させて、歩数やスピード、タイミングを覚えさせる

踏み切りの練習、着手の練習を繰り返す、各動作の練習と動作のつなぎの反復

フォームや動作を覚えさせる、修正するための補助など

すると早く出来るかもしれません。

しかし、

走るスピードをもっと速くしなさい

勢いよく両足で踏み切りなさい、このタイミングで跳びなさい

ここを見て両手をしっかり着きなさい

この動作を繰り返して覚えなさい

というような練習法で出来るようになる過程で学習されるのは

その特定の運動だけの動作パターンです。

色々な運動をすることで身につけていく能力を組み合わせて

「できるようになる」

平衡感覚や自分の動きとリズムをつなげる能力や、距離や空間を把握する能力、動きを切り替える能力などを向上させ、様々な運動スキルを獲得していき、それらを組み合わせて「跳び箱運動」ができるようになる。

特定の動きを特化・固定化するのとでは大きく違います。

運動でも勉強でも

出来るという結果だけを求めてしまうと

確かに出来るようになったように見えるのだけれど

本来求めるべき状態とは違った「形だけ」の結果になってしまうことがあると思います。

考える事のない丸暗記型の学習

手取り足取り、ずっと指示をされながらの反復練習

道のり・速さ・時間、道のり・速さ・時間、道のり・速さ・時間…

答えが出せればいいですか

それで本当に数学的な思考が育ちますか

練習の数や量、反復が必要な時もあるでしょう

そのバットの素振り、何の目的でしていますか

それをすることでどんな効果がありますか

変えたい動きの原因は何ですか、その素振りをすることで変わりますか

ただ運動ができるようになればいい

体力テストの成績が上がればいい

スポーツの試合に勝てばいいのではないのです

自分で考える力、学習する能力があります

それを奪うような指導をしていないか

赤ちゃんも誰にも教わらずに動きを獲得していきます。

お座りができるように赤ちゃんを体を支える補助クッションに座らせる

こぼさないで飲めるようにストローつきのマグで飲み物を飲ませる

早く立てる・歩けるように、手を持って足を着かせる、歩行器で歩かせる

形だけの結果が得られても

その過程で身につけるものが得られません

本当に必要なのは、結果として見える状態ではなく、その過程での発達、能力を獲得していくことなのです。

コオーディネーショントレーニングでは、出来る・出来ないが問題ではなく、「やろうとしている」ことが重要であり、脳と身体に「刺激を与える」ことに意味があります。

もちろん跳び箱もできるようになるのですが

運動のための運動になってしまっては目的からずれるのです。

高橋

跳び箱の指導

コオーディネーション運動教室ですること

2016年 07月 30日

私は、幼児の「跳び箱〇〇段跳べます」偏重はもったいないと考えています。

5、6歳くらいのこどもたちがさせられている体操
跳び箱、鉄棒、逆立ち、側方倒立回転…
こんな小さい子がこんなのできるの!?
すご~い、となりますが、、、

確かにすごいです、こどもの能力
何でも、すぐにできるようになってしまう。

で、その跳び箱、何になるのでしょうか
体操選手になる?
役に立つかもしれません
体操選手なんて考えていません
体力をつけてほしいので
小学校で役に立つから
体操苦手になってほしくないので…

さて「跳び箱を跳ぶ」能力を考えてみると
踏み切りまでの距離をつかむ
その距離感をつかんで、助走・踏み切りのタイミングを合わせるリズム感
助走から両足ジャンプへの動きの変換とジャンプ力
着手の位置、正確さ、タイミング
腕で体を支える、押し出す
体のコントロール、バランスなど
要は
距離、時間、リズムをつかんで、自分の動きを合わせる
自分の体を思ったとおりに動かす、平衡能力
動きを変える・動きをつなげる能力
が必要な訳で、それらが育っていればできる。

跳び箱をしない方が良いのではなく、もちろん跳んで良いのですが、
そんなに反復させる意味あるの?
そんなに高さに挑戦する意味あるの?
何のため、何がねらい?ということです。

幼児期は広く能力を発達させる時期だと思います。
とにかく繰り返し練習して技ができるようになる=能力が伸びる?ではなく
できていなくても能力が伸びる刺激となっていることもあるし、
できていても能力向上の刺激にならない場合もあります。

運動の技能を身につける・高めるのと
技能の発揮に必要な能力を育てるのはイコールではない。

跳び箱、体操はとても良い運動です。
自分の身体をしっかり使う
回る、転がる、支える、つかまる…色々な動きが入っています
逆さまになったりぶらさがったり、回転したり、平衡感覚・能力を育てるのに最高
柔軟性など身体の強さ(あいまいだな)も身につくでしょう

色々な能力を育てる素晴らしい運動のひとつなのに
目的が技を完成させることになっている
挑戦する心を育てるとか
できる喜びとか
技の楽しさとか
跳び箱の技能を身につけるとか

それ今優先することですか?
小学生、中学生になってどうですか
本当にこどもの能力伸びてますか

小学校低学年での跳び箱は「とびばこあそび」です
「跳び箱運動」ができないから仕方なく「あそび」になっているのではなく
「あそび」が必要だから、大切だからだと思います。
学習指導要領を作った方に直接聞いた訳ではありませんが

「運動不足」というよりも「あそび不足」(それにハイハイ不足)
あそびが足りてないのにスポーツを早くから偏ってするから(身体も身体を動かす能力も育っていないから)余計に体を壊す

早くから始めた方が有利
早くからしている方が上手になる
早ければ良い…訳ではないです。
運動だけでなく
文字が読めるのも早い方が良い
算数ができるのも早い方が良い…
早く、早く、先に、先に、、、間違ってないですか

跳び箱、みたいな物が置いてあったら、
こどもはよじ登るのに挑戦し、高い所に立って喜んで、跳びおりて、たのし~、となるのが自然。
開脚跳びしようと思いますかね?

走り回って
転げ回って
色々な動きを経験して
身体の感覚を育てて
自分の身体を上手に使えるようにして…
跳び箱はこうするんだよ~と動きを見たら、すぐにできる。
それがこどもの運動で大切なことで
自分たちがコオーディネーション運動教室でしていることです。
 高橋

https://tomproject.exblog.jp/23011306

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